背中痛を予防するための安全な運搬作業とは

背中痛の原因
職場において背中を痛める最たる要因は、物品の不適切な持ち上げや運搬です。
重たいものを正しく扱う方法を知り、それに従えば、怪我や背痛を防ぐことが出来ます。
持ち上げる前に考える
実際に物品を持ち上げる前に準備をしましょう。可能な場合は、適切な荷台を用いましょう。どこにその物が置かれるのか、他のひとの助けは必要なのか、といったことを考えなければなりません。
不要になった包みなど、運搬の障害となるものは取り除きましょう。高さのある持ち上げの際(例えば、床から肩の高さまで持ち上げるときなど)には、途中で机やベンチに物品を置いて、持ち方を変えることも考えましょう。
腰のあたりで荷物を抱える
持ち上げる際は、出来る限り長い間荷物を腰の近くで抱えましょう。こうすることによって背中への負担を減少させることが出来ます。
荷物の最も重い側面を身体に隣接させて運搬しましょう。身体と荷物との間に距離がある場合は、持ち上げる前に荷物を自らのほうへスライドさせるなどして引き寄せましょう。
安定した体勢をとる
両足は離して、一方の足がもう片方の足に対して多少前方に位置している状態が望ましいです(荷物が床にある場合は、足を荷物のそばに置く)。
持ち上げる際には、体勢の維持のために足の位置を臨機応変に変えられるようにしておくべきでしょう。きつすぎる衣類や、不適切なシューズ(ハイヒール、サンダルなど)の着用はこの妨げとなります。
荷物をしっかりと抱える
可能な限り、荷物は身体の近くで抱きかかえているべきです。こうすることで、手だけで物品を掴むよりもがっしりとした、確実な運搬ができるようになります。
持ち上げる際に仰け反らない
持ち上げのはじめに背中、尻と膝を多少曲げることはむしろ好ましいでしょう。これは、完全に背中を曲げる(かがむ)、或いは完全に尻と膝を曲げる(しゃがむ)ときのことです。
持ち上げる際にそれ以上背中を曲げない
これは、荷物を持ち上げるよりも前に足が先に真っ直ぐになっていくときに起こり得ます。
持ち上げる際に身体を捻らない
特に背中が曲がっているときに、背中を捻ったり横に身体を傾けたりしてはなりません。
両肩が水平で、かつ尻と同じ方向を向いているよう注意しましょう。足を用いて回転するほうが、ねじりと持ち上げを同時に行うよりは良いです。
前方を見据える
荷物を運ぶ際は、頭を上げて前方を見るべきでしょう。一旦荷物を安全に掴んだら、荷物を見下ろし続けるのではなく前をみるのです。
なめらかに動く
荷物を急に引っ張ったり掴みあげたりしてはいけません。これをすると物品のコントロールが難しくなり、怪我のリスクが高まります。
限界を知る
簡単に処理できるもの以上の荷物を持ち上げたり運搬してはなりません。人が持ち上げることの出来るもの、と、安全に持ち上げることの出来るもの、の間には相違があるのです。わからなければ、アドバイスや助けを求めましょう。
下ろしてから、調節する
荷物を下ろしてから、調節しましょう。荷物を正確に配置したい場合は、まず下ろしてから、求められている場所へスライドさせましょう。