死産と向き合い、悲しみを克服するには

死産について
イギリスの統計では、2013年には3,284人の赤ちゃんが死産でした。これは、妊娠期間は24週以上だったものの、亡くなって生まれてしまったことを表します。同じ年には、1,423人の赤ちゃんが生まれて7日以内に亡くなっています。亡くなる原因が必ずしもはっきりと分かるとは限りません。
赤ちゃんが子宮の中で既に亡くなってしまっている場合(子宮内胎児死亡と呼びます)、自然に出産が始まりません。このときは、出産を促すために薬を投与します。これが赤ちゃんを取り出すのに最も安全な方法であるとされています。この方法だと、赤ちゃんの姿を自分の手で抱くことも可能になります。
悲しみを克服するには
このように自分の赤ちゃんを亡くしてしまうことは、精神的なダメージは計り知れません。あなたとパートナーは、予期せぬ感情の波を経験するでしょう。不信感、怒り、罪悪感、深い悲しみなどに襲われるかもしれません。
女性によっては、赤ちゃんの鳴き声が聞こえる気がしたり、まだお腹の中で赤ちゃんが動いているような感覚になる人も少なくありません。一般的に、赤ちゃんを失ったことへの悲しみは、亡くなってから数ヶ月間が一番激しいとされています。
亡くなった赤ちゃんとの思い出をできる限り作ることが、気持ちを和らげることにつながるという人も中にはいます。たとえば、亡くなった赤ちゃんを見たり抱いたり、名前をつけたりなどです。また、写真を残したり、髪の毛、手形や足型を残しておくのもよいでしょう。こうすることで、赤ちゃんが生きていたことの証となり、死を受け入れるための手段となることもあります。
赤ちゃんを亡くしてしまったことによる精神的なショックについて、医師やカウンセラーと相談したり、過去に死産を経験した人に話を聞いたりするのもよいでしょう。
死体の検視について
死産を経験すると、赤ちゃんが亡くなってしまった原因を知りたくなると思います。死体の検視によって原因が分かる場合もありますが、分からない場合もあります。また、将来再び妊娠するときに役立つ情報が得られることもあります。
もしも検視から何かが分かりそうであると医師や看護師が判断した場合、どうしたいかの判断をあなたに委ねます。検視を希望する場合、書面にサインをすることが求められます。
検視結果が出たら、医師からその説明を受けることができます。ここで、将来の妊娠への影響に関する話も聞くことができます。
多胎妊娠
多胎妊娠で一人の赤ちゃんが亡くなってしまった場合(たとえば、双子を身ごもっていたのにどちらか一人が死産になってしまった場合)もまた、どんな親にとっても辛い出来事です。赤ちゃんが亡くなってしまったことへの悲しみを抱えながら、もう一人の赤ちゃんの誕生を喜び、世話をするということで、さまざまな複雑な感情が入り混じります。この場合、生きて産まれた赤ちゃんが未熟児である場合が多く、新生児集中治療室で特別なケアが必要となる場合、余計に心配してしまう可能性があります。
赤ちゃんとのお別れ
お葬式や、赤ちゃんとのお別れをするためのその他の方法は、赤ちゃんを失った悲しみと向き合う上で非常に重要です。
お葬式や告別式を自分で計画することもできますし、病院が手伝ってくれることもあります。もしお葬式をしたくない場合は、する必要はありません。
多くの親は、赤ちゃんを亡くしたことへの悲しみが非常に長い期間続くことに驚くといいます。友人や知人は、どう声をかけたり慰めたらよいかわからない場合が多く、「普通」の状態に早く戻ってくれることを期待します。