妊娠後期の母体と赤ちゃんの変化について

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妊娠後期について

妊娠中期が終わり、おなかがこれ以上大きくなることはできないのでは?と疑いたくなるかもしれませんね。でも、疑う余地もなく、妊娠後期の間もおなかは大きくなり続けます。妊娠後期という数週間で体に起こる変化と、急成長する赤ちゃんがどうなっていくのかについてまとめました。

いつからが妊娠後期ですか?

妊娠後期は、28週から始まり、40週前後で出産するまでの間を指します。つまり、妊娠後期は妊娠7ヶ月から9ヶ月までの期間のことです。とはいえ、出産の日は予定日よりも数週間早まったり遅れたりする傾向にあります。実際、少なくとも半数の赤ちゃんは遅れるといわれています。妊娠40週を迎えたら、自分で出産を促すためにできることもいくつかあります。しかし、42週を迎えたら、通常は予定日超過とみなされ、自然にお産が始まらない場合は、医者が出産を促進します。

この時期を乗り切るには、へこたれないで頑張り通すことが大事ですよ!出産というゴールはすぐそこです。

妊娠後期の赤ちゃんの成長

おなかの赤ちゃんは、妊娠後期にさらに大きくなります。28週には体重2.5ポンド、身長16インチほどだったのが、40週には体重は6~9ポンド、身長は22インチくらいまで成長します。言うまでもなく、赤ちゃんはものすごい速さで成長しています。大きくなるにつれて必然的におなかの中のスペースが小さくなりますから、内側から強く蹴られることも増えるでしょう。

妊娠後期の赤ちゃんの代表的な成長は以下の通りです。

・骨:妊娠7~8ヶ月になると、赤ちゃんの軟骨は骨にかわるため、お母さんが摂取するカルシウムを吸収します。カルシウムを豊富に含む食材をたくさん食べるようにしましょう。

・毛、皮膚、爪:妊娠32週ごろになると、それまで中が透けて見えていた皮膚が透明ではなくなります。36週になると、胎脂(赤ちゃんが羊水から皮膚を守るための脂っぽい物質)や産毛(おなかの中で冷えないように覆われている毛)が消えると同時に、脂肪が増え続けます。

・消化器官:妊娠の終わりに差し掛かると、胎便(主に血液細胞、胎脂、産毛で構成される、いわば赤ちゃんの初めての便)が赤ちゃんの腸内で作られ始めます。

・五感:赤ちゃんの触覚は、29~30週ごろまでに完全に発達します。31週になれば、五感がすべて発達します。明るいところと暗いところの違いがわかるようになったり、お母さんが食べたものの味が分かったり、お母さんの話す声を聞いたりしています。

・脳:妊娠後期になると、赤ちゃんの脳はこれまで以上に急速に発達します。瞬きなどの素早い動きを試したり、夢を見たり、自分の体温をコントロールしたりできるようになります。

妊娠34週になると、赤ちゃんの頭は下を向き、お尻が上にくるような位置になります。この位置が逆だと、逆子になります。37週ごろまでに、医者が手で逆子をなおすことを試みることもあります。

身体に起こる変化

赤ちゃんがおなかの中で動き回っているために、胎動をたくさん感じるようになるでしょう。また、おなかもどんどん大きくなってきます。以下のような症状を伴うことがあります。

・腹痛:おなかが大きくなるにつれて、おなかの下の方を支える円靭帯が延びるときに、差し込むような痛みを感じることがあります。これについては、無理をせずに様子を見ることしかできません。

・疲労:この時期は、体にかかる負担が大きくなるため、疲れやすくなります。食事の回数を増やすなどしてよく食べ、よく体を動かすことで、睡眠の問題を解決しましょう。

・胸焼け:妊娠の終わり頃になると、子宮が胃を圧迫するため、内容物が上に押されます。そのため、胸焼けが続くことがあります。非常に苦しめられている場合は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2ブロッカーなどの妊娠中にも服用できる薬を処方してもらえるかどうか、医者に相談してみましょう。

・前駆陣痛:体がお産の準備をしているために起きる反応で、本物の陣痛が来る前に不規則に来る陣痛の練習のようなものです。

・静脈瘤:血液が余計に循環することで、下半身に瘤ができることがあります。痔も、静脈瘤の一種です。妊娠前にこのような症状がなかったとしたら、出産後に消えるでしょう。

・妊娠線:これは、妊娠中に皮膚が限界まで伸びるために、小さな亀裂が生じることでできる線です。妊娠線ができる主な要因は、遺伝によるものだと考えられています。目立たなくするためには、保湿が効果的です。

・腰痛:妊娠ホルモンであるリラキシンの影響で関節が緩み、おなかが大きくなることで重心が前にくることで、腰が痛くなることがあります。このせいで、体を動かしたくなくなる妊婦さんも多いでしょう。一方で、背中から脚にかけて差し込むような痛みを感じる場合は、坐骨神経痛も考えられます。

・おかしな夢を見る:妊娠ホルモンの影響で、予定日が近づくにつれて、これまでになく鮮明に夢を見るようになります。これは、ごく自然なことです。旦那さんと昨日見た夢の話で盛り上がるのもいいかもしれませんね。

・不器用になる:妊娠ホルモンの分泌量が増え、おなかが大きくなってバランスがとりにくくなり、忘れっぽくなりますが、何も心配する必要はありません。

・膀胱の制御がきかなくなる:くしゃみをすると、尿漏れをしてしまうようになります。骨盤領域に体重がかかっているのですから、無理もない話です。解決方法として、ケーゲル体操をすることが挙げられます。

・乳房から母乳が漏れる:赤ちゃんが産まれてからミルクをあげるための準備を体がしている証拠です。

こうした妊娠中の症状や体重の増加を踏まえたうえで、一番重要なのは、数週間も経てばあなたのかわいい赤ちゃんと対面することができるということです。

検査が必要な症状

予定日が近づくにつれて、お産が始まる前の症状によく似た症状が現れることもありますが、実際にお産が近いことを示すサインには、具体的に以下のようなものがあります。

・下降感:36週ごろになると、赤ちゃんが骨盤に降りてくるため、歩き方もよたよたした足取りになります。

・おしるし:ピンク色あるいは茶色がかった粘り気のある粘液が見られたら、お産が近いことを意味しています。また、粘液栓(子宮を外界から封じ込めるもの)が出てくることに気付く人もいますし、気付かない人もいます。

・陣痛:前駆陣痛と異なり、本陣痛は、体を動かせば動かすほど、強くなります。

・破水:これは、陣痛が始まって病院に着くまで発生しないこともあります。

どのタイミングで連絡したり病院へ向かうべきか、つまり、本格的に陣痛が始まったといえるのはどんな状況か、医者が教えてくれると思います。おめでとうございます!もう間もなく、赤ちゃんと対面できます。

しかし、どの時点であっても、膣からの激しい出血があるときや、熱が101.5 F 以上出たとき、下腹部に激しい痛みを感じたとき、急に体重が増えたとき、早期陣痛がきたときなど、医者に連絡するべきだと判断した場合は、ためらわずに連絡してください。妊娠中は、本能を信じて、より安全な方を選ぶほうが良いでしょう。

妊娠後期にした方がいいこと

・胎動を常に気にするようにしましょう。28週以降、特に9ヶ月目は、赤ちゃんに何回蹴られたかを数えたり、記録したりしたくなるかもしれませんね。

・体重に注意してください。妊娠中の体重は、妊娠後期の始めごろに増えるスピードが速くなり、予定日が近づくにつれてだんだん落ち着いてきます。体重が十分に増えていない、もしくは増えすぎてしまった場合は、医者のアドバイスを参考にして、食生活を変えることで、正常値に戻す努力をしましょう。

・体を動かしましょう!医者の許可が下りて、安全に注意しながら運動をする限りは、妊娠中にしても良い運動なら予定日まで続けても大丈夫です。

・妊娠後期の検診を計画しましょう。糖分を調べる検査、貧血、B群連鎖球菌の検査は、7~8ヶ月ごろに受けるのが良いでしょう。9ヶ月目には、頸部を検査することで、展退と膨張(頸部が狭くなったり開いたりすること)が始まったかどうか調べます。リスクが高いと診断された場合、妊娠の最後の数週間のうちに、経過が順調かどうか確認するために、生物物理学に基づいた分析やノンストレス試験を実施することがあります。

・赤ちゃんのための用具一式を揃えましょう。最も重要な、ベビーベッド、ベビーカー、チャイルドシートなどはもう買いましたか?特に、チャイルドシートは、ご自分の車のシートにきちんとセットできるかどうか早めに試しておきましょう。

・知識を得ましょう。妊婦教室で出産の流れを確認したり呼吸法の練習をすることで出産に備えるほかにも、赤ちゃんのお世話の仕方について教えてくれる教室も調べてみましょう。

・授乳の準備をしましょう。母乳で育てるメリットや、授乳の仕方について、赤ちゃんが産まれる前に本などで読んでおきましょう。また、授乳についての教室もあります。授乳について困ったことがあれば、そのときになってから病院の人に遠慮なく相談してみてもいいでしょう。

・出産の段階について知りましょう。最初の段階、お産が進んで移り変わる段階で起こることから、赤ちゃんが出てきて胎盤を取り出す段階に起こることまで、赤ちゃんの誕生の日までに理解しておくことで、出産に備えましょう。

・出産の痛みにどう対応するのか考えましょう。無痛分娩や和痛分娩を希望しますか?自然分娩を希望する場合、水中分娩にしますか?出産スタイルについて、医者とよく話し合ってみてください。

・バースプランを確認しましょう。無痛分娩にするのかしないのかや、誰がへその緒を切るのかなど、バースプランを作るか、すでにある場合は確定させましょう。ただし、いざ赤ちゃんが出てくる段階になると、必ずしも計画通りに行かないこともあるということを覚えておきましょう。一番重要なのは、あなたとおなかの赤ちゃんが安全に、健康にいられることです。

・子ども部屋を作りましょう。子ども部屋に必要なものを揃えましょう。また、育児に必要な、哺乳瓶や産着、おむつ、おしり拭き、おしゃぶり、粉ミルクなども必要に応じて用意するのを忘れないでくださいね。

・大きなおなかを記録に残すのもおすすめです。プロのカメラマンに撮ってもらうのも良いですし、自分で撮るのももちろん良いでしょう。撮った写真を子ども部屋に飾ったり、赤ちゃんのためのアルバムに追加するのも良いかもしれません。

・食べ物のストックをしましょう。赤ちゃんが産まれてからの数週間は、慣れない育児で大変でしょうし、出産からの回復期間でもあります。そのために、さっと作れるものを多めに作っておいて、冷凍保存しておくのがおすすめです。

・資金面の計画をしましょう。出産と育児にかかる費用を計算し、必要に応じて家計を改めましょう。

・入院セットを準備しましょう。なるべくコンパクトにまとめるのがおすすめですが、自宅でいつも使っているもので病院に持って行きたいものがあれば、準備してもいいと思います。

・臍帯血の保存について検討しましょう。公的でも私的でも、保存を検討する場合、医者とよく相談の上で行うようにしましょう。

・出産後にどのようなことが起こるかを知っておきましょう。出産後24時間以内に、体が回復して母親としての役割を果たすために体にどのような変化が起こるのかを調べておきましょう。

・赤ちゃんが1歳になるまでの期間の準備をしましょう。1歳を迎える前に訪れるさまざまな節目の行事について調べてみましょう。楽しみになる行事がたくさんありますよ。

わくわくしてきましたか?それもそのはず、赤ちゃんと対面できるまでそう長くはありませんよ!

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