腰痛の改善のために取り組んできたこと

ピラティスとの出会い
ヴィッキー・ジョセフさんの腰痛が始まったのは、休暇にネパールでトレッキングをするためのトレーニングをしていたときでした。
痛みがひどくなりすぎて、うつ状態になってしまい、仕事を辞めざるをえなくなってしまいました。
彼女は、痛みの改善のためにできることを何年も探し続けました。整形外科医から信仰治療師まで、国内外のありとあらゆる専門家をたずねました。
50人以上の専門家を訪ね、5年が経ったある日、彼女はピラティスに出会い、専門家をたずねることをやめました。
手術や理学療法は一時的に痛みを和らげましたが、ピラティスは彼女のライフスタイルを変え、長いこと患ってきた腰の痛みをコントロールすることができるようになりました。
ロンドンの北の方の町出身のヴィッキーさんは、腰痛に悩んでいなかった以前の自分とほとんど変わらない、場合によってはそれ以上の生活ができるようになったといいます。
「先日、ピラティスの教室から歩いて家まで帰りました。約11kmの道のりを2時間かけて歩きました」
彼女のピラティスの先生は、彼女自身を含めてこれまでに誰も指摘したことのないことに気付きました。彼女は、姿勢が悪かったのです。
「姿勢を良くすることが、痛みの改善にこんなに効果があることだとは思いもしなかったです」と、ヴィッキーさんは話します。
活動的な生活
腰痛になる前は、特に腰痛になる傾向にありそうな生活は送っていませんでした。彼女は、活動的な生活を送っており、スポーツも楽しんでいました。テニス、ランニング、サイクリング、ウインドサーフィン、スキーなどを楽しみました。
2000年の1月、トレッキングに向けたトレーニング中に、腰と右足に痛みを感じるようになりました。専門家に診てもらいましたが、自然に治ると説明されたそうです。
「そんなに深刻にならないで、と言われました。活動的でいる努力を続けて、激しい運動は控えるように指示されました」
しかし、痛みは次第にひどくなり、トレッキングに行くことができなくなりました。
「常に痛みがあり、激しく痛むこともしばしばでした。数分間立ったり歩いたりすることもできないときがありました。椅子に座ることすらできず、ひざまずくしかないときもありました。」
一年半も痛みがおさまることがなかったヴィッキーさんは、自殺願望が芽生えてしまい、精神病院にかかってしまいました。その後半年間、病気のため休職することになりました。
復帰してからも、精神的にも肉体的にも仕事が困難で、数ヶ月で退職してしまいました。
その後、彼女は腰痛の解消法を探すために時間を費やしました。
「この腰痛の原因は何なのか、突き止めなければならないと思いました。数週間に一回は、違うセラピストをたずねていました」と彼女は話します。
あきらめない
しかし、納得のいく答えは得られませんでした。
「痛みの原因について、正しい診断をされたことはありませんでした。」
と彼女は話します。
いろいろなことを言われたといいます。
「精神的な問題だ」
「若くして出産したことがトラウマになっているのだろう」
「脚の長さがそれぞれ違うからだ」
それでも、「決して希望を捨てない」と自分自身に言い聞かせ、あきらめませんでした。
ある日、問題への突破口が開かれました。ドイツの医師が、椎間板ヘルニアが痛みの原因となっているのではないかと診断し、2005年の9月に手術を行いました。
痛みは改善しましたが、期待したほどではなかったといいます。完治に向けて、彼女はまた専門家を探し続けました。その結果、理学療法士であり、現在のピラティスのインストラクターでもある先生と出会ったのです。
「その先生には、初めて私の姿勢の悪さを指摘されました。思い返せば、長いこと悪い姿勢で正しく運動を行ってこなかったのが積み重なり、あのときのウォーキングが最後の引き金となって腰痛になってしまったのかもしれません」
彼女は、立っているときも後ろに重心がいってしまう、猫背の姿勢だったと思い返します。このような姿勢では、腰に負担がかかってしまいます。また、座っているときの姿勢についても、特に気をつけていなかったといいます。
筋肉のバランスの悪さや、背中やお腹のインナーマッスルが弱かったことが原因で運動するときの姿勢を悪くしてしまい、腰痛につながってしまったということが考えられます。
二年間ピラティスを続けてきたことで、ほとんど以前の自分と変わらないくらいまで状態が良くなってきているといいます。彼女は、現在は活動的な生活を取り戻し、スキーやサイクリングも再開したそうです。
ヴィッキーさんは、腰痛の改善のため、週に二回ピラティスの教室に通う以外にも、自主的に行っている活動があります。
「自分の体のメンテナンスをすることは、一生しなければならないことです。私は、毎日20分のストレッチを行っています。座っているとき、歩いているとき、立っているときの姿勢を常に気にするようにしています。今は、どのように自分の体を動かすかについて、以前より気を使うようになりました。」