「パートナーに虐待された」〜経験談〜

その他

虐待に至るまで

ある28歳の女性は、自身が受けたドメスティック・バイオレンスの経験と、そこから自分の人生を取り戻すことについて、次のように語ります。

「4年前、私はロンドンに越してきて、新しい仕事を始め、ダーレン(仮名)と出会いました。彼はとても魅力的で、私に敬意を払って接してくれて、いつも私に花とカードを送ってきてくれました」

「彼は朝起きて、私の分の朝食を作り、私のためにシャワーをつけ、私が仕事の準備をして髪を乾かしているのをじっと見つめてさえいました」

「彼の行動は奇妙に見えましたが、彼は私のことを見つめるのがすきなんだと、そう説明しました。後になってから考えると、彼は私が何を着ているのかを見るためにそうしていたのだと思います」

「まもなくして、彼は私がなぜわざわざ化粧に手間取るのか、尋ね始めました。彼は私に、化粧などなくとも十分「キレイで完璧だ」と言いました。それから彼は、私のために私の服を広げて並べるようになりました。それが、私が何を着るのかを決めるための、彼なりのやり方だったんです」

名前を呼び、そして暴力

「2ヶ月後、彼は仕事場の外で私を待つようになりました。私がすぐに出てこなければ、彼は怒りました。他の男といちゃつくために遅くまで残っているのだ、と私を責めてきました」

「彼は、私のことを愛しているからひたすら待っているんだ、と言いました。彼は気分を害するようになり、けんかもするようになりました。彼は私の名前を呼んでは、私の言葉のアクセントを馬鹿にして笑っていました」

「頭の中では、『あなたは幸せじゃないわ』という小さな声が私にささやき続けていました。ですが、私はそれを無視するよう努めました。私が何をやっているのかを彼にわかってもらうために。私は常にダーレンに電話で釈明をしているようでした」

「時々、私は仕事で午前3時まで起きていなければいけないことがありましたが、一方で彼は、自分が仕事から帰ってきたときに自分の夕食が用意されているのが当たり前だと、そう思っていました」

「徐々に、彼は私の人生において最も重要なものとなっていきました。人生で、たった一つだけのものだったんです。私は次第に家族や友達とコンタクトを取ることが少なくなっていきました」

「ある日、私たちがけんかをしていた際、私はダーレンに突き飛ばされて床に倒れてしまいました。ついに私は立ち上がって、彼はそんな風に私を扱うものではないと、そんなことをする人は刑務所にいくものだと、彼に言いました。彼は笑い、責任は私の方にあるのだと言って、警察を呼びました」

「彼は警察に、自分たちはけんかをしていたと、そして私が、彼をわざと困らせようと、翌日に警察に電話して、彼が私のことを殴ってきたというつもりだったのだと、そう説明しました。私は本当に恐怖しました。今までそんな状況を経験したことが一度もなかったんです。私は恥をかき、ショックを受け、自分が何をすべきなのか分からなくなってしまいました」

殴って、唾を吐いて、侮辱する

「この事件の後、暴力は私たちの関係の中でふつうのものになりました。ある時は、彼の暴力で私は指を骨折してしまい、専門医に診てもらわなければなりませんでした。またある時は、私はA&E(救急救命センター)に行きました。頭にも顔にも身体にも、あざができていたのです」

「彼は私に唾を吐きかけ、私を突き倒し、蹴り、私に噛み付いてきました。一度は私を車で轢こうとさえしてきました。そして毎回ひとしきりの暴力を振るった後、彼は私の肌に優しくアルニカクリーム(打撲用の治療薬)を塗って、彼は私を「守ってあげている」のだと、そう言ってきました。私は、自分が狂っていくのを感じるようになりました」

「私にとっては、暴力よりも降職の方が、対処するのが大変でした。自分自身の基準では、何が正しくて何が間違っているのか不安になり、自信も持てなくなりました。私が以前は一度も経験しなかったような数々のことを許してしまっていることについて、法的に悩むことなんてありませんでした」

「ダーレンは、何か欲しいのならば膝をついて頼め、と強制するようになり、またあるいは道路にお金を投げ捨て、私に取って来いと命じることもありました」

逃げて、自信を取り戻した

「私は、自分が醜いと思い込むようになりました。私たちが外に出かけると、ダーレンは露骨に私の前の女性をじろじろ見つめ、私が文句を言えば、そんなのは気のせいだと言ってきました」

「少しずつ、私の理性と自尊心が消えていきました。彼はどんどん私のことを支配しようとするようになりました。彼は、私のママにさえ、私と連絡を取るときは彼の携帯電話を通してのみ行うようにするよう言ったのです。その方が「簡単」だから、と」

「毎晩、彼は私のかばんを探り、私の車の走行距離をチェックしました。私が家の周辺を歩いているところや、あるいは口論の後に泣いているところを、写真に撮っていました」

「彼が私をコルク用の栓抜きで殴ってきた後、ついに私はダーレンから独立しました。再び自信を取り戻すのには長い時間がかかりました。特に、彼は私がそうしてから長く経った後でさえも、私のことをいじめ続けてきましたから」

「彼は私の自己価値を、完全に粉々に砕きました。私のPR(宣伝広報活動)の仕事も、彼と出会うまではどんどん上手くいくようになってきていたのに、本当に苦しめられました」

「友達や家族、リフュージ(虐待を受けた女性や子供に支援サービスを行う組織)のスタッフの助けもあって、私は自分の人生と自信を取り戻すことができました。」

「私は再び復帰できるよう一生懸命に努めてきました。今は、仕事はとても上手くいっています。一番大切なのは、再び自分自身の気持ちがきちんと分かるようになったことです」

支援を求めるには

もしドメスティック・バイオレンスの被害を受けた、または受けている、あるいは誰かがそうではないかと心配であれば、24時間いつでも無料で電話相談を受ける機関も多くありますから、まずは相談するようにしましょう。

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