ヘロイン中毒を克服するために〜支援を得る〜

治療方法

ヘロインについて

あなたがヘロインに関する問題を抱えている場合、どこで支援を受けられるのか、どのような治療オプションが利用可能なのか、理解しておきましょう。

もしあなたの主治医や地域の薬物中毒治療サービスに支援を求めれば、支援に関する査定を受け、治療の提供を受けることができます。その際、あなた自身のニーズに適したケア・プランを提案してもらえるでしょう。これには、以下のようなタイプの治療が含まれます。

ヘロインの使用習慣の安定化

あなたがアヘン剤(麻薬)の中毒にかかっていて、日常的に摂取しており、そしてその薬物摂取の習慣を変えるだけの心構えが出来ている場合には、メサドンやブプレノルフィン等、ヘロインの代替物質が処方されるでしょう。

始めのうちは、ヘロインの代替物質は、ヘロイン使用量の軽減が最小限となるようなレベルで処方されます。

メサドンやブプレノルフィンは、以下のような局面で有効です。

・薬物使用の安定化
・違法薬物の使用の停止
・注射や注射器および道具の共用などの危険性の高い行動の修正
・自身の中毒習慣に必要な金銭の調達のための犯罪行為の停止

中毒克服のためのトーキング・セラピー(相談療法)

処方薬による薬剤治療のほか、カウンセリング等のトーキング・セラピーも、あなたが自分の中毒について理解し、克服し、将来設計をするのに有効な方法です。また、もしあなたにパートナーがいて、あなたのサポートをしたいと思っている場合には、カップル・セラピーを受けることも可能です。あるいは、あなたやあなたの家族が薬物に関する振る舞いを更正する手助けを行うファミリー・セラピーもあります。またケア・プランはあなたが必要とする他のすべての支援を明確にするよう設計され、あなたを担当するキー・ワーカー(支援の主担当者)が、確実にその支援をあなたが受けられるようサポートします。

キー・ワーカーは、あなたの住居、受けられる恩恵、教育、または就業などに関わる問題について、さまざまな支援のプランニングをしてくれます。またコンピューター・スキルの習得やスポーツ・エクササイズなどの活動に挑戦することができる機会を提供してくれます。

ヘロインに関する自助活動

また、問題を抱えている者同士で集まりお互いにサポートを行っている自助団体に参加することもおすすめです。団体は地域によってさまざまで、地域の薬物中毒に関する支援サービスにて、どのような自助団体が自分の地域にあるのかを知ることが出来ます。

例えばナルコティックス・アノニマス(NA)は、国境を越えたさまざまな団体からなる自助組織で、薬物使用をやめようと考える新たなメンバーの参加を歓迎しています。

ヘロインの使用を完全に止める

薬物使用の傾向が安定し、望ましい状況下にある場合には、メサドン(またはその他の代替薬物)の使用を軽減し、ドラッグ・フリー(薬物の使用を断ち切った状態)を目指すオプションが選択できます。その際、コミュニティ・デトックスか、あるいは入院デトックスかを選ぶことがあります。

コミュニティ・デトックス

コミュニティ・デトックスでは、あなたのメサドン(またはその他の代替薬物)の服用量を、一定期間をかけて徐々に削減していくことで、薬物断絶の際に不快感の伴う症状が生じる可能性を低減します。また、そこからナルトレキソンと呼ばれる薬物の利用を勧められる場合もあります。

ナルトレキソンは、ヘロインといった薬物の影響の断絶によって再び薬物の使用に走ってしまうのを防ぎ、薬物使用への欲求を低減させる効果があります。

入院デトックス

入院患者用のデトックスには、デトックス設備のある病院または居住型リハビリセンターでの、2~3日間のステイが伴います。こうすることで、処方された薬物代替物質の服用量をはるかに早く削減することが可能となります。

入院デトックスの後には、居住型リハビリセンターやその他適したアフター・ケアプロジェクトでの一定の期間が伴います。デトックスの後でも改善を生み続けることが重要であり、入院デトックス終了後に施設を離れる際には、薬物から距離を置き続けるための支援が必要となることがほとんどでしょう。この時期が特に、薬物からの誘惑に弱くなってしまう時期であることもあります。もし再び違法薬物の使用を始めてしまった場合には、薬物の使用過多に陥る危険性が、デトックス前よりもはるかに高くなってしまいます。

居住型リハビリセンター

居住型(宿泊型)リハビリテーションは、既にコミュニティ・デトックスにて薬物の使用を止めようと努め、それにも関わらず成果が得られなかった場合に、選択肢として提案されることがあります。またあるいは薬物への依存度が高かったり、サポートしてくれる家族や職場環境を有していなかったり、複雑な身体的・精神医学的問題を抱えていたり、または薬物と同様にアルコールに対しても中毒症状が見られる場合に、居住型リハビリテーションが提案されることがあります。

居住型リハビリセンターは通常、他のセラピーと同様の1対1カウンセリングおよびグループ・セラピー、また社会的・職業的スキルの発達および教育機会の提供を組み合わせて、支援を行っています。

居住型リハビリセンターはほとんどの場合、薬物中毒克服を専門とする慈善団体や民間組織によって運営されています。またそれらのリハビリセンターの支援を受けるために、地域の薬物中毒に関するコミュニティ・サービス、あるいは社会福祉コミュニティ・ケアチームを通じて、経済的支援を受けることも可能です。

民間のクリニックで支援を受ける際には、通常、料金が発生します。

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