RSウイルス感染症についての基礎知識

症状

RS ウイルス感染症とは

RS ウイルス感染症(呼吸器ウイルス感染症;RSV)は一般的なウイルスです。 肺と呼吸に影響します。 すべての年齢の人々がかかる可能性があります。 このウイルスは、早産児、幼児、健康問題のある高齢者にとっては、より深刻になります。 春と秋には一般的にみられるものです。 人は一生に一度以上RSVにかかります。
心臓および肺の疾患を有する65歳以上の成人は、RSVを発症する危険性が高いです。 特定のリスク要因により、新生児はRSVにかかる可能性が高くなります。 これには以下のものがあります:
低体重
先天性心疾患
弱体化した免疫系(こうなると、からだは感染と闘うことができなくなる)
肺疾患
早産
神経筋疾患(筋ジストロフィーなど)
母親の子宮内にいる間にタバコの煙にさらされること

症状

症状は年齢によって異なります。 年長の子どもおよび健常な成人では、軽度の風邪のような症状が出ます。 これには、咳嗽(がいそう)、鼻づまり、軽度の発熱などがあります。 症状は通常、ウイルスに感染してから4〜6日後に現れます。
幼児(1歳未満)、未熟児、65歳以上で肺や心臓病を患っている成人は、より重篤な症状となります。 その症状には、以下のものがあります。
呼吸困難(息切れ、喘鳴、過呼吸)
鼻づまり
青みがかった色の肌(酸素欠乏によるチアノーゼ)

原因

RSVはウイルス感染症です。 肺感染症にみられる一般的な細菌が引き起こします。 2歳未満の子どもの多くが感染しています。 最も重篤な症例では、RSVは肺炎または細気管支炎(肺炎症)につながる可能性があります。 この細菌は、くしゃみ、咳、食べ物の共有、カップの共有、食器類の共有、使用済みのティッシュに触れること、ウイルスをもつ人にキスをすること、感染した人と接した後に自分の鼻や口に触れることによって広がります。
RSVは保育所や学校などの混雑した場所や大学寮などの人がひしめく生活環境では広がる可能性が高くなります。

診断

医師は、通常、患者の病歴(症状の所見)と身体検査に基づいてRSVを診断します。 ウイルス感染が重度の場合は、病院に入院する必要があります。 病院や診療所ではさらに検査を受けることができます。 これらの検査には、迅速検査(鼻の中を拭う)、胸部X線検査(肺炎検査)、血液検査(患者が脱水症状でないことを確認する)、また深刻な症状と思われる幼児の場合にはその他の血液検査または尿検査が行われます。

予防法

しっかり手洗いすることは、RSVを予防または回避する最良の方法です。 ウイルスに感染している場合は、自宅にとどまり、職場、学校、公共の場所には行かないでください。 くしゃみをするときは口と鼻を覆い、食べ物や飲み物を共有したり、キスしたり、ティッシュを一緒に使ったり、握手をしたりしないでください。 ウイルスに感染しているか、風邪のような症状があることがわかっている場合は、新生児に触れないでください。自分が感染したり、他の人に感染させたりすることを減らすために、頻繁に石鹸で手を洗ってください。

治療方法

RSVは抗生物質で治療することはできません。 抗生物質はウイルスに作用しません。 RSVの軽度の症例は治療しなくても2週間後には治ります。 重症のRSV症例の新生児や高齢者は入院することがあります。 病院では、呼吸するのを助けるために酸素吸引、顔面マスクを通して加湿された空気を送風、静脈内投与(IV)(点滴を注入するために小さな針が静脈に挿入される)が患者に対して行われます。 まれですが非常に重篤な症例では、患者は人工呼吸器(呼吸を補助する機械)の助けを必要とすることがあります。
ほとんどの軽度のRSVは、感染しても2週間風邪をひく程度のものです。 入院しなければならない新生児や高齢者は、感染が完治するまで不快感(呼吸困難)を経験します。

医師に質問すべき事項

RSVは新生児や未熟児にとっては致命的なものですか?
赤ちゃんがRSVに一度感染した場合、その子はウイルスにもう一度かかる可能性が高いですか?
市販されている風邪薬は役に立ちますか?
未熟児を公共の場所に連れて出るまでには、どれくらいの間待つべきですか?

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