高齢者のための運動のガイドライン

65歳以上の高齢者は、健康を保つためにはどのくらいの運動量が必要ですか?
健康を維持したり改善するために、高齢者は毎週2種類の運動を行う必要があります。
毎週必要とする運動量は年齢によって異なります。
65歳以上の高齢者向けのガイドライン
運動量を制限せざるを得ないような病気などを抱えていない、健康な65歳以上の高齢者は、日ごろから活動的になることをおすすめします。推奨されている運動は以下のとおりです。
・週に最低150分以上のサイクリングやウォーキングなどの適度な運動、および
・全ての主要な筋肉(脚、腰、背中、腹部、胸部、肩、腕)を週に2日以上鍛える
もしくは
・週に75分のランニングやシングルテニスなどの激しい有酸素運動、および
・全ての主要な筋肉(脚、腰、背中、腹部、胸部、肩、腕)を週に2日以上鍛える
もしくは
・週のうち、中程度の有酸素運動と激しい有酸素運動を組み合わせる。(例えば、30分間のランニング2回と30分間の早歩きは、中程度の有酸素運動150分に相当する)および
・全ての主要な筋肉(脚、腰、背中、腹部、胸部、肩、腕)を週に2日以上鍛える
目安としては、1分間の激しい運動は2分間の中程度の運動に相当します。
また、常に軽い運動をすることを心がけ、長時間座りっぱなしでいることを避けましょう。座っている時間が長いと、病気になるリスクが高くなるといわれています。
脚が弱い、平衡感覚が悪い、病気であるなど、転倒の危険を伴う高齢者は、週に少なくとも2日間、バランス感覚を改善するための運動を行うべきです。 例としては、ヨガ、太極拳、ダンスなどがあります。
中程度の有酸素運動にはどのようなものがありますか?
多くの人にとって、中程度の有酸素運動には以下のようなものがあります。
・ウォーキング
・水中エアロビクス
・社交ダンス
・平地または坂道の少ない場所で自転車に乗る
・テニスのダブルス
・芝刈り機を押す
・カヌー
・バレーボール
中程度の運動では、心拍数が上がり、呼吸が少し速くなり、体がぽかぽかしてきます。運動中に話すことはできても歌を歌うことができなければ、それは中程度の運動と呼べるでしょう。
買い物、料理などの日常的な家事は、一週間に必要な150分の運動には入りません。これらを行っても、心拍数は上がらないからです。ですが、座りっぱなしを防ぐには効果的な活動です。
激しい有酸素運動にはどのようなものがありますか?
激しい運動をすることで、中程度の運動よりもさらに健康に良い効果をもたらすことがわかっています。
ほとんどの人にとって、激しい運動は、以下のようなものを指します。
・ジョギングまたはランニング
・エアロビクス
・速く泳ぐ
・自転車を速くこぐ、または坂道で乗る
・テニスのシングルス
・サッカー
・坂道をハイキングする
・ダンス
・武道
激しい運動をすると、呼吸が速くなって心拍数が上がります。息が切れてしまい、会話も少ししかできなければ、激しい運動をしていると言えるでしょう。
一般的に、75分間の激しい運動は150分間の中程度の運動と同程度の効果をもたらすと言われています。
どのような運動が筋力を高めますか?
筋肉が必要な理由は以下のとおりです。
・日常生活のあらゆる動き
・強い骨を作り、維持する
・血糖値と血圧を調節する
・健康な体重を維持するのに役立つ
筋力トレーニングでは、何回を何セット、というふうに数えます。たとえば、二頭筋カールや腕立て伏せなどにおいて、一つの動作を一回と数え、それを一定回数繰り返します。これを一セットと考え、それを何セットか行います。
それぞれのトレーニングについて、以下を心がけてください。
・最低1セット行う
・1セットは、8~12回に設定する
筋力トレーニングによって健康効果を得るためには、これ以上繰り返すのは難しいと感じる時点までがんばって行うようにしましょう。
筋力トレーニングを家で行う場合でもジムで行う場合でも、やり方はさまざまです。たとえば、以下のようなものがあります。
・重い荷物を運ぶ
・ダンスなどの脚力が必要な活動
・スコップで地面を掘るなどのガーデニング
・腕立て伏せや腹筋など、自分の体重を使った運動
・ヨガ
・重量挙げ
有酸素運動を行う日と同じ日に筋力トレーニングを行ってもいいですし、別の日に行っても構いません。あなたにとって一番よい方法を見つけてください。
激しい運動の中には、有酸素運動にも筋力トレーニングにも含まれるものもあります。たとえば、以下のようなものがあります。
・サーキットトレーニング
・エアロビクス
・ランニング
・サッカー
・ラグビー
・ホッケー