中毒について 〜中毒ってどんなもの?〜

中毒とは
もしあなたが中毒になっているのであれば、それはあなただけのことではありません。慈善団体のアクション・トゥ・アディクション(中毒に対する行動)によると、私たちの3人に1人は何かに中毒になっているといわれています。
中毒は、何かをする、摂取するあるいは使うことに関して、自身に危害が及びうるほどに自制が効かなくなってしまうこと、と定義されています。
最もよくあるケースとして、中毒と言われると、ギャンブルや薬物、アルコール、ニコチンなどが連想されますが、どんなものに対しても中毒になる可能性はあり、例えばそれが以下のようなものであることあります。
・仕事 ― ワーカホリック(仕事中毒)とは、仕事のことで頭がいっぱいになり、極端に走った結果、身体的に大きな疲労を抱えてしまう人のことです。もしあなたの人間関係や家族、社会生活に負担がかかっているにもかかわらず、決して休日をと取ろうとしない場合には、あなたは仕事中毒にかかっているといえることがあります。
・インターネット ― コンピューターや携帯電話の利用が増え、それに伴ってコンピューターやインターネット中毒も増えています。毎日、一日中何時間にも及びネットサーフィンをしていたり、生活の中の他の面に関心を向けずゲームばかりやっている人は、この種の中毒にかかっているといえます。
・溶媒 ― 揮発性物質中毒とは、興奮作用や酔うことを目的として、接着剤やエアゾール、ガソリン、ライター燃料などの物質を吸引するタイプの中毒のことです。溶媒中毒は致命的な影響を及ぼすことがあります。
・ショッピング ― あなたが特に必要としないものを買っていたり、あるいはそれを買うことによって自身の評判を作ろうとしている場合には、ショッピングが中毒の原因となることもあります。この行動の直後、罪悪感や恥ずかしさ、絶望が伴います。
何が中毒を引き起こすのですか?
中毒が引き起こされる原因にはさまざまなものがあります。薬物やアルコール、ニコチンの場合には、これらの物質が使用者の身体的・精神的な感覚に影響を及ぼします。この感覚が楽しい気持ちを呼び起こし、その物質をもう一度使いたいという強い渇望を生み出すことがあるのです。
ギャンブルの場合は、勝った後に似たような精神的高揚感(いわゆる「ハイ」な気持ち)を引き起こし、それがもう一度トライして再びあの感覚を得たい、という強い渇望につながることがあります。このケースは習慣に発展してしまうこともあり、その場合には止めることが非常に困難となります。
何かに中毒になることは、それがなければ禁断症状、いわゆる「カム・ダウン(麻酔の効果が切れること)」を引き起こすことを意味します。これが不快感を呼び起こすため、より容易に自身の渇望するものに手を出すようになり、そうして中毒のサイクルが続いていく、ということがあるわけです。
中毒はしばしば歯止めの利かないものとなります。自身の渇望的欲求を満足させ、「ハイ」な感覚を得るために用いられるものの量が、どんどん増えていくからです。
中毒にかかると、どのような影響を受けるのですか?
中毒をコントロールしようとすることが重い負担を生じさせ、あなたの仕事や生活、人間関係に深刻なダメージを与える可能性があります。ある特定の物質に対する中毒(薬物やアルコールなど)の場合には、中毒が心理的・身体的に深刻な影響を及ぼしてくることもあります。
中毒は遺伝子的な問題であるとする研究もありますが、中毒にかかっている他の人が自分の周りに存在するなど、環境的要因もまたそのリスクを高めると考えられています。
中毒は、自身が抱えている困難な問題を自分から遮断する手段として用いられることがあります。失業や貧困は、ストレスや精神的・職業的重圧と同様に、中毒を起こす引き金となることがあります。
中毒にかかってしまった際に助けを求めるには
中毒は治療可能な症状です。その中毒がどのようなものに対するものであっても、支援を受けるための方法はたくさんあります。医療機関にアドバイスを求めたり、中毒患者の支援を専門とする組織にコンタクトを取ることもできます。
また、アルコール、薬物および喫煙に対する中毒については、問題解決のための記事はインターネット上で多く存在します。
匿名で誰かに相談をしたい場合には、電話相談を受け付けているサービスもあります。
中毒患者に対する治療や支援、アドバイスに関してもっと知りたい場合には、中毒治療のQ&Aに関する記事を読んでください。