子供の性的虐待のサインを見逃さないために

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子供に対する性的虐待について

性的虐待の被害に遭ってしまう子供は多くいます。以下、もし子供が性的虐待を受けている疑いがあった場合に、どのようにしてそのサインを見分けるか、それに対して何をすべきか、についてのアドバイスを記します。

子供に対する性的虐待とは、どんなものですか?

子供の性的虐待は違法であり、その内容には以下のようなものを含みます。

・児童ポルノ写真および画像の所持
・子供への脱衣やマスターベーション(自慰行為)の強要
・ポルノビデオの鑑賞などの、子供の目の前で行われるあらゆる性的行動・活動
・子供の性的な写真および画像の撮影、ダウンロード、視聴および配布
・子供に対するウェブカメラ前での性的行動の推奨
・子供が性的活動および画像を見ないようにするための予防策の無構築
・(着衣・無着衣に関係なく)子供に対する不適切な性的接触
・貫通を伴う性交

男の子でも女の子でも性別に関係なく性的虐待の被害者となり得ますが、女の子は男の子に比べ、虐待件数が何倍も多く記録されています。

子供が性的虐待を受けているサインにはどのようなものがありますか?

子供は、自分が受けた性的虐待について話さないことがしばしばあります。それは、虐待の責任が自分自身にあると思い込んでいたり、虐待の加害者からその虐待が「普通」のことであったり「特別な秘密」であると信じ込ませられているからです。

また子供は、その加害者によって賄賂を渡されていたり、脅迫されていたり、あるいは言っても信じてもらえないと教え込まれていたりもします。

性的虐待を受けている子供は、加害者のことを心配し、その人物に迷惑をかけてしまうことを懸念していることもあります。

子供の性的虐待に気付くためのサインには、以下のようなものがあります。

・《振る舞い方が変わる》 ― 虐待を受けた子供は、攻撃的になったり、引きこもるようになったり、依存するようになったり、睡眠障害を患ったり、おねしょをしたりするようになることがあります。

・《加害者を避ける》 ― 子供が特定の人物に対し、嫌悪感を抱いたり、恐怖しているように見えることがあり、その人物と二人きり(あるいは、加害者が複数人の場合はそれ以上)になるのを避けるようになることがあります。

・《性的に不適切な行動を取る》 ― 性的虐待を受けた子供は、性的に不適切な行動をとったり、性的に直接的な言葉遣いをするようになったりすることがあります。

・《身体的問題が表れる》 ― 子供の健康状態に問題が見られるようになることがあります。これには生殖器や肛門部の痛みや性感染症、妊娠などが含まれます。

・《学校生活に問題が表れる》 ― 虐待を受けた子供は、集中力や学習に障害を抱えるようになり、成績が落ち始めることがあります。

・《ヒントを示す》 ― 子供は自らが受けている虐待について、明白に打ち明けることはせずに、その手がかりをそれとなく示してくることもあります。

子供の性的虐待を通報するにはどうすればいい?

性的虐待を受けている疑いがある子供がいる場合には、まず対処を遅らせないことが最善の策です。

直接、警察や地域の児童福祉サービスに相談することが可能です。この際、匿名で通報することもできます。また、児童虐待の専門機関が提供する無料の電話相談サービスにて、匿名でアドバイスを受けたり、あなたの懸念について報告することも可能です。また性的虐待が発覚した場合には同じく専門機関に通報することが可能です。

もしあなたが医療従事者で、診察する子供に虐待被害や虐待の危険性が疑われる場合には、その施設の責任者である医師や看護師から助言を受けることもできます。

もしあなたが、子供に対するご自身の考え方や態度に関して不安になることがあれば、専門機関に相談するようにしてください。

もしあなたが子供であり、誰かがあなたに性的虐待を行っている場合には、「チャイルドライン」等、子供からの電話相談を受け付けている機関も多くありますので、支援やアドバイスを受けることが可能です。電話相談は無料で、内容は機密事項として第三者に知られることはありません。

どんな人が子供に性的虐待を行うのですか?

子供の性的虐待の加害者は、大人や、あるいは他の子供であることもあります。

加害者が男性であるケースが大半ですが、時には女性も児童虐待を行います。

子供の性的虐待の半分程度は、通常比較的年齢が上の、他の子供や若者によって行われています。
また、虐待の加害者のほとんどは、被害者の子供と何らかの接点があります。

気付くことが可能な点として、虐待の加害者は子供に対し、プレゼントをあげたり、奢ったり、遠出に連れて行ってあげるなど、特別な扱いをしていることがあります。それによって、子供と二人きり(あるいは加害者が複数の場合はそれ以上)となるチャンスを探しているのです。

性的虐待の被害に遭う危険性があるのはどんな子供ですか?

子供が既に何らかの虐待を経験している場合、性的虐待に対する耐性はより弱くなります。例えば、ネグレクト(育児放棄)が行われている家庭に暮らす子供は、よりその危険性が高まります。

障害を持った子供が性的虐待の被害に遭う確率は、そうでない場合の3倍であり、その子供の抱える障害が会話や言語に関するものであった場合に特にその傾向が強くなります。

また子供は、インターネットの利用時にも虐待の危機にさらされることがあります。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やチャットルーム、ウェブフォーラムなどはすべて、子供の性的虐待を企てる人物によって、虐待の対象にできる可能性のある子供を「グルーミング(手なずけ)」するために用いられるのです。

子供の性的虐待が及ぼす影響は何ですか?

性的虐待は子供にとって、身体的にも精神的にも、また短期的にも長期的にも、深刻な被害を及ぼす可能性があります。

短期的には、子供は性感染症や身体的負傷、望まない妊娠など、健康状態に対する被害を受けることがあります。

長期的には、性的虐待を受けた人は、鬱病や不安感、摂食障害、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)の影響を受ける可能性がより高くなります。また自傷行為を行う傾向が強くなったり、犯罪的行為や薬物・アルコールの乱用に走ったり、大人になってから若い段階で自殺をする可能性が高くなったりします。

子供の性的搾取

性的虐待を受けた子供は、性的搾取の対象となる危険性もあります。性的搾取には、子供が性的虐待の加害者のネットワークの中で性的な目的の達成のために受け渡しされる、などの行為が含まれます。

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