ティーンエイジャーのパートナー関係の中での虐待

パートナーとの関係
もしあなたにパートナーがいて、そのパートナーからの扱われ方に不快感や恐怖感がある場合には、じっと我慢する必要はありません。
「普通」のパートナー関係は何か、ということを知るのは難しいこともあります。お互いのことを知り、どんなことが自分達二人に当てはまるのかを明らかにするのには、時間がかかることがあるのです。
しかし、確かなことが一つだけあります。虐待的な、あるいは暴力的な振る舞いは、受け入れるべきものではありません。そのようなことがもしあなたに起きているのであれば、助けやアドバイスを求めるのは、許されることなのです。
パートナー間での虐待は、いかなる年齢、文化、宗教を有する人にも起こり得ます。男性にも女性にも虐待は起こり得ますが、女性に対して行われるケースのほうがはるかに多いとされています。また、若い同性同士のパートナー関係の中でも、虐待の影響が及ぶ傾向がより強いとされています。
虐待の被害を受けた人々を支援するある社会福祉の専門家は、次のように語っています。「どんな人でも、いかなる暴力に対しても我慢すべきではありません。もし暴力があなた自身の身に起きているのであれば、親や信用できる大人・友達など、あなたの信頼できる人間に相談してください。自分の中に抑え込まずに、誰かに話してください」
パートナー関係間での虐待とはどんなものですか?
身体的虐待には、叩く、蹴る、拳で殴る、平手打ちをする、突き飛ばす、押し込む、または性的活動への強要などが含まれます。しかしながら、虐待の形式にはその他のものも含まれます。
精神的虐待や言葉での虐待には、以下のようなものが含まれます。
・パートナーを萎縮させたり、馬鹿にすることを言う
・パートナーが望まないもの(性的なものなど)を強要する、圧力をかける
・パートナーに対してチェックを入れる(例えば、メッセージなどによって、今その人がどこにいるのか、誰と一緒にいるのかを常に把握しようとする、など)
・パートナーやペットを含む近親者を傷つけると脅迫する
あなたがパートナーと一緒にいる時に加え、精神的虐待および言葉での虐待は電話やインターネットを通じて行われることもあります。
このような行動は愛情とは無関係であり、あなたの行動を自分の好きなようにコントロールするための行為に過ぎません。パートナーを精神的あるいは言葉を通じて虐待している人は、後にパートナー間で暴力までも振るうようになることがあります。この種の支配的行為は、大きな危険信号です。
このような行動は、たとえ誰かが問題のないものだと言っていたとしても、許されるものではありません。パートナー関係の中での暴力や虐待は普通のものではなく、単なる「そういうもの」でも「おふざけ」でもありません。深刻な問題です。
精神的、身体的に傷つけられると、あなた自身の自尊心が蝕まれてしまったり、不安感や鬱を引き起こしたり、病気を患ってしまうことがあります。また、若い人が虐待を受けると、摂食障害やアルコール・薬物に関連する問題が生じることもあり、また性的虐待による性感染症および妊娠の危険性もあります。
虐待の被害に対する支援を得る
もしあなたが支配的あるいは虐待的なパートナー関係にあり、助けを要する場合には、恐れずに誰かに相談してください。誰が何と言おうとも、虐待はあなたの責任ではなく、誰かに相談するほうがはるかに有効です。あなたが飲酒していた、あるいはどんな服を着ていたかなどは、関係ないのです。虐待に対して許される言い訳など、存在しません。
助けを求めるための正しい言葉を見つけるのが困難である場合もあります。相談する際には、その人に自分が相談することができるかどうかを尋ねるようにしましょう。あなたが助けを必要としていること、あるいは起きている事態に対して自分がどうすれば良いのか分からないことを、その人に伝えてください。
例えば、以下のような人に相談することができるでしょう。
・大人の監督者や自分が気に入っている学校の先生
・あなた自身の母親や父親、あるいは他の信頼できる大人(友達の母親など)
・チャイルドライン等の電話相談アドバイザー
・専門家や看護師など
・あなたの友達
また、あなたの求めるような反応が返ってこなかった場合には、もう一度試すようにしましょう。緊急の危険事態に遭遇している場合には、110や119などの緊急電話番号に電話しましょう。
あなたの友達が虐待を受けていると思われる場合
もしあなたの友達が虐待を受けていると思ったのであれば、その友達に話をしてください。ある専門家は、「落ち着いて、批判的・否定的な姿勢はとらないようにしてください」と指摘します。「友達と話すのがなかなか難しいこともあるでしょうが、トライしてください。もし心に引っかかることがあるのであれば、自分は間違っているのではないか、と心配せず、自分の考えは正しいのではないか、と思うようにしてください」
友達に、あなたが話したいことがあるのだけれど話をしても大丈夫か、尋ねてみてください。その人のことを気にしているのだと伝え、何事もないのかどうかを尋ねてください。友達の話を聴いてあげた上で、虐待に対して耐える必要など全くない、ということを伝えてください。
もし友達に負傷が見られる場合には、一緒に医師による診察を受けに行くこと薦めてください。チャイルドライン等の電話相談・支援サービスの番号を控えておき、いつでもその人に渡すことができるようにしておきましょう。
もしあなたが誰かを虐待している場合には
もしあなた自身がパートナーを虐待していたり、あるいは自分がそうする、しているのではないかと不安に感じる場合には、チャイルドライン等の電話相談サービスや信頼できる大人に相談してください。
「あなた自身の振る舞いが間違っているということを認識することが、虐待を止める第一歩なのです。それでも、止めるには助けが必要なこともあるかもしれません」
過去に起きたことに対する感情など、虐待的な振る舞いの原因となるものは、時に極めて強大なものとなっていることがあります。「自分自身の力で、あるいは即座に、そのようなものに歯止めをかけることが、常に可能であるとは限らないのです」と専門家は語ります。「助けが必要なのです。それが、誰かに相談することがなぜ大切なのかに対する理由なのです」