その肩の痛みは回旋腱板を痛めているのが原因かも

肩の痛みの原因は何ですか?
肩の痛みの一般的な原因には、大きく二つあります。回旋腱板(円形運動を助ける肩の部分)の腱(筋肉を骨に取り付けるコード)の痛みと、肩甲下嚢の痛み(肩の最高部の下の液体の嚢)です。肩の痛みは、絵を描いたり、荷物を持ち上げたり、運動したりと、腕を使う活動の後に感じることがあるでしょう。また、けがをした覚えがないこともあります。肩の主な関節は、腕の骨と肩甲骨によって形成されています。関節のへこみが浅いため、広範囲の腕の動きを可能にしています。肩の回旋腱板は、腕の骨を覆う4つの筋肉で構成されています。この腱板があることで、腕の動きに合わせて肩がしっかりと安定します。
回旋腱板はどのようにして傷つきますか?
肩甲骨筋は肩の上に乗っていて、その腱は肩の外側の骨の下を移動します(隆起)。この腱は、骨の間に位置しているため、最も負傷しやすいとされている腱です。 腱が炎症を起こすと、2本の骨の間に挟まれることがあり、腱のクッションの役割をもつ液体の嚢も損傷を受ける可能性があります。
回旋腱板が傷ついているかどうかはどのように分かりますか?
回旋腱板が関係している場合、痛みは通常、肩の前方または外側に出ます。これは、腕を上げたり、頭の上に何かを持ち上げたりすると、痛みが増すのが特徴です。 なにもしていなくても、痛みがひどいことがあります。痛みは夜間によく現れ、そのせいで目が覚めてしまうほど痛むこともあります。
痛みを和らげるためには何ができますか?
正しく対処すると、痛みは和らぎ、肩は正常な機能を取り戻します。まず、肩を使いすぎないという方法があります。肩を動かしてもよいですが、重いものを持ち上げたり、テニスなどの激しい活動はしないでください。氷を当てる、 イブプロフェンやナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬を服用する、抗炎症性ステロイド薬を注射することも可能です。また、肩を簡単に動かすリハビリテーション療法もあります。大きな円を描くように肩を回すことで、肩関節周囲炎と呼ばれる、回旋腱板が傷ついてしまう重大な合併症の予防に効果的です。こうした運動の後には、ゴム製のチューブまたは軽いダンベルを使用した運動をします。最後に、ウェイトマシンまたはフリーウェイトによる抵抗トレーニングをします。
どのような運動をすればいいですか?
次のような運動が効果的です。他の運動も必要かどうかについては、医師に相談してください。
関節可動域
起立し、床を見下ろすようにして上体を少し傾け、腕をまっすぐにぶら下げます。痛いほうの腕で空中に円を描きます。小さい円から始め、徐々に円を大きくしていきます。これを、1日に5〜10回行います。 痛みを感じたら止めて、時間をおいてまたやるようにしてください。
回旋腱板の強化
この運動にはゴムチューブを使用してください。 ドアノブのついたドアを閉じた状態で横に立ちます。 ノブの周りにチューブを巻きます。 ドアに近いほうの手で、腕を90°に曲げた状態でチューブをつかみます。 おなかの方までチューブを引っ張ります。これを、1セットにつき10回行います。最初は1セットのみにして、肩の痛みが減ったらセットの数を増やしてみてください。これは毎日行ってください。
上肢の強化
痛みがとれたら、ウエイトマシーンやフリーウェイトを使って一般的な上半身強化のためのウェイトリフティングを追加してみてください。左腕を横につけた状態で、右側を下にして横たわってください。左手にウェイトを持ち、おなかの上に前腕を持って来て、前腕を上げてください。 肘は体の近くに引いてください。
この怪我の治癒を助けるために他に何ができますか?
有酸素運動は、腱または嚢への血流を改善するのに効果があります。これは、痛みの軽減につながります。 喫煙者の場合、タバコをやめることで酸素が傷ついた腱に到達しやすくなり、怪我も早く治るようになります。
手術は必要ですか?
怪我の治癒に時間がかかる場合、腱が裂けてしまうことがあります。 このような怪我の場合は外科手術を必要とする可能性があります。正しくリハビリを行っていても痛みがとれない場合や、腕の特定の動きが弱い場合は、回旋腱板の裂傷が疑われます。