肺がんと診断されたときに知っておきたいこと

肺がんと診断されたら
肺癌を専門とするマクミラン(イギリスのがん患者サポート機関)の看護師アリソン・ハーウッドによると、肺がんと診断された人はそれぞれ違った反応をするという。
「多くの人が診断後、最初に質問するのは『私は死ぬんですか?』です。彼らは希望を欲しがり、肺がん専門の看護師として私たちは希望を与えようとしますが、誠実であることも大事にしています。このがんの生存率は非常に低いからです」と、ブラッドフォード王立保健室で働くアリソンは言います。
「治療でよくなるか、気分がよくなったり生活の質を向上させたりすることを目指すかなどを話します。これまで、患者があとどれだけ生きられるかを予測しようとしたことすらありません。肺がんに明確な答えはありません。患者ごとに事情は異なるのです」
お金や仕事、家族の役割といった現実的な問題に集中する人もいれば、肺がんがどのように進行するのかという疑問でいっぱいになる人もいます。
将来に対する恐れが何であれ、あなたは一人ではないことを忘れずにいることが重要です。医療チームや多くの慈善団体はあなたをサポートするために存在します。
息切れへの対処
「息切れなどの日々の症状にどう対処すればよいか、アドバイスを求められることが多いんです。アドバイスや呼吸を改善したり痛みに対処したりするコツがあります」とアリソン氏は言う。
ゆっくりと鼻で吸ってから口から吐く呼吸訓練が役立ちます。買い物をしたり、コードレスホン、携帯電話を運ぶためにカートを使うと消費エネルギーを節約できるので、電話が鳴るたびに起き上がる必要はありません。必要以上に上の階に行かなくてすむよう、必要なものはすべて階下に保管してください。
肺がんに対する心境
自分が肺がんだとわかると、恐くなったり感覚が麻痺したりする可能性があります。特に一度もタバコを吸ったことがなかったり、アスベストに被ばくしたことがあるなど、仕事の結果として肺がんを発症した場合は、怒りを感じるかもしれません。長年の喫煙がもとで肺がんになってしまったら、悲しさや後悔の念を感じるかもしれません。
「これらの感情は診断結果を受け入れるときに現れる、ごく普通の感情です。いろんな感情がこみあげてくる可能性が高いです。私たちは患者のためにすべてを記録していますが、それは一度にすべての事実を受け入れることができないからです。彼らが望めば、私たちが娘や息子、孫、そのほかの親族に告知することもあります。似たような状況で、他人に話すことが役に立つことが多いので、彼らの気持ちを代弁したり、地元のサポートグループやカウンセラーに連絡を取ったりすることもあります」とアリソンは言います。
がん患者に対する財政支援
特に一家の大黒柱だったり、病気を理由に退職した肺がん患者の場合、お金が大きな問題になることがあります。さまざまな慈善団体のサービスや、利用できる給付があれば、これらを活用して不安を和らげることができます。