ベル麻痺についての基礎知識〜症状、治療〜

ベル麻痺とは?
ベル麻痺は、顔の片方の筋肉を一時的に衰弱させたり、麻痺させます。顔面麻痺の最も一般的な原因がベル麻痺です。
顔面麻痺の他の原因として、以下が挙げられます。
・先天性顔面麻痺 – 顔面筋衰弱で生まれた子供
・事故による顔面神経の損傷 – 頬の裂傷や頭蓋骨の骨折
・外科手術による傷害 – 耳下腺や頚部の手術
症状は何ですか?
症状は、人によって異なり、麻痺状態は、次のいずれかになります。
・部分的な麻痺で筋肉の衰弱は軽度
・完全な麻痺で顔筋の運動はまったくない ※非常に稀です
ベル麻痺はまぶたや口にも影響を及ぼし、開閉が困難になり、まれに顔の両面に影響が出ます。
医師のアドバイスを受ける時
ベル麻痺は、顔筋の衰弱と麻痺だけでなく、脳卒中のような重篤な状態の徴候にもなります。顔面麻痺が突然発症するのであれば、医師に相談してください。医師は、他に原因がないと判断した場合にのみ、ベル麻痺と診断します。
なぜ起こるのですか?
ベル麻痺は、顔の筋肉をコントロールする神経が圧迫されたときに起こると考えられています。正確な原因は不明ですが、ウイルス感染によって顔面の神経が炎症を起こすと考えられています。ヘルペスウイルスが最も一般的ですが、他のウイルスにも起因しています。
どんな人が影響を受けますか?
ベル麻痺は、一年で5,000人に1人の割合で出るごくまれな症状で、15〜60歳に多く見られるものの、あらゆる年代、性別関係なしに発症します。妊娠している女性や糖尿病、HIV患者によく見られますが、まだ完全には解明されていません。
ベル麻痺の治療
ベル麻痺を患う10人のうち7人は、治療の有無の関係なしに完全に回復します。
ほとんどの人は、約2〜3週間後に症状の改善に気づきますが、完全な回復には最大9ヶ月程度かかります。回復期間は、神経損傷の状態に依り、人によって異なります。
コルチコステロイドの一種であるプレドニゾロンが、顔面神経の腫れを軽減するために使われます。目を閉じることができない場合、点眼剤が必要になることがあり、睡眠時にテープで目を閉じることもあります。
合併症
ベル麻痺患者の10人に3人は治療後も麻痺が残り、そのうちの2人には長期的で深刻な症状が残ります。合併症には以下が含まれます:
・持続する顔面の麻痺
・目の問題
・話しにくい、嚥下しにくい
・味覚の低下
・顔の痙攣
ベル麻痺は、14%の人に再発可能性があります。なかでも家系に病歴がある場合、可能性が高くなります。