座りっぱなしがよくないとされる理由とは

座っている時間を減らすために
健康でいるためにはより活動的でなければならないということは知っていると思います。しかし、座っている時間を減らす必要があるということも分かってきました。
運動不足が原因で病気になる可能性を減らすためには、一週間に最低でも150分間の定期的な運動と、座っている時間を減らす必要があると言われています。
研究によると、座っている時間が長いと、体重増加、肥満、2型糖尿病、ガン、早期死亡に繋がってしまうといいます。
座りっぱなしは、代謝を悪くします。これにより、血糖値、血圧が上がり、体脂肪が増えてしまいます。
英国の成人は、一日に座っている時間が7時間以上という人が多く、年齢が上がるにつれて時間が増え、10時間以上になる場合もあります。
この時間には、テレビを見る、パソコンを使う、読書をする、勉強をする、車やバス・電車に乗る時間が含まれていますが、睡眠の時間は含まれていません。
もっと動いて座っている時間を減らしましょう
レポートによると、長い間座っている時間の中で、1~2分で軽く動く時間を設けるタイミングをちょくちょく作ったほうがよいといいます。
専門家委員会の委員長であるスチュアート・ビドル教授は、30分ごとに、活動的な休憩を取ることを推奨しています。
しかし、一日のうち座ってすごす時間をどれくらいまで制限したらよいのかという確かな証拠はまだありません。
とはいえ、オーストラリア、アメリカ、フィンランドなどの国では、子供がテレビを見たりゲームをする時間は一日1~2時間に制限したほうがよいという基準を設けています。
最近の研究によると、一日に最低60分運動すれば、座っている時間が長いことによる悪影響をリセットすることができるとされています。
年代ごとのアドバイス
座っている時間を短くすることは、どの年代にも推奨されています。
5歳未満の子供
5歳未満の子供は、テレビを見る時間、車やバス・電車に乗る時間、ベビーカーに乗っている時間を制限することが大切です。
レポートによると、座りがちの生活は、子供にとっても、肥満や認知発達の低下に繋がってしまうといいます。
これは忙しい親にとっては大変かと思いますが、幼いころの人生経験や習慣は、成長して大人になってからの健康に影響します。
レポートによると、将来考えられる健康被害を防ぐためにも、幼いころから健康に気を使った生活を習慣にすることが大切です。
座っている時間を減らすためのヒント:
・ベビーカー、チャイルドシート、食事用ハイチェアーに座らせる時間を減らす
・歩行器を使わせる時間を減らす
・テレビなどの画面の前に座らせる時間を減らす
小学生~高校生
研究によると、家に複数のテレビやパソコンがある家の子供は、座っている時間が長い傾向にあります。
5歳~18歳の子供にとっては、自宅、学校、放課後のいつでも、体を動かす時間があれば座っている時間を減らすことにつながります。
座っている時間を減らすためのヒント:
・手伝いをさせるなど、子供がテレビを見るための時間を「稼ぐ」ための工夫をする
・家族の中でテレビやパソコン、ゲームの制限時間をきめる
・子供の部屋にはテレビやパソコンを置かないようにする
・テレビ、パソコン、ゲームを禁止する時間を設け、子供が活動的になるようにする
・お膳立てやゴミ出しなどのお手伝いをさせる
・プレゼントに、スクーター、スケボー、ボールなどの活動的になるものを選ぶ
親は、自分自身がテレビを見る時間や、その他の座ったままの作業の時間を減らし、子供に手本を見せることも大切です。
大人
19歳~64歳の大人は、会社でも家で仕事をするときでも、いつでも座っている時間を減らしたほうがよいと推奨されています。
座っている時間を減らすためのヒント:
・電車やバスでは立つ
・階段を使う
・30分に一回立ち上がるようにタイマーを設定する
・立って仕事ができるように、パソコンを箱の上において作業してみる
・電話のときは立ったり歩き回ったりする
・休憩中は散歩をする
・遠い席の同僚に用があるときは、電話やメールで済ませずに机まで歩いて伝える
・テレビを見る時間をより活動的な趣味に代える
高齢者
65歳以上の多くは、一日に10時間以上を座って過ごします。
「高齢者が活動的ではなくなってしまう原因には、もちろん筋力の低下や病気もありますが、高齢者はゆっくりと休んだほうがよい、という社会的な風潮も関係しています。しかし、これはよくありません。」と、ビドル教授は話します。
高齢者は、座ってすごす時間を最低限にできるようにしたほうがよいとされています。
ビドル教授は、次のようにも話しています。「座ることにも、休憩が必要です。テレビを長時間見るのを避けることは必要です。また、軽い運動に挑戦し、なるべく脚を使う時間を増やすことが大切です。コーヒーを飲んだり、おしゃべりするときに立ってしてみてください。立ったまま手紙を書いてみてください。ヘミングウェイは、立ったまま手紙を書いたそうですよ」
座っている時間を減らすためのヒント:
・テレビやパソコンの前で長時間過ごさないようにする
・コマーシャルの間は立って動く
・電話のときは立ったり歩いたりする
・できる限り階段を使う
・ガーデニングやDIYなどの活動的な趣味を見つける
・ダンスの教室やウォーキングなどのコミュニティー活動に参加する
・孫と一緒に遊ぶ
・いろいろな家事をする