身体醜形障害(BDD)の基礎知識~特徴、原因、治療~

症状

前書き

身体醜形障害(BDD)は不安障害の一種で、自分の見た目について極度のこだわりがあり、外見を心配することに多くの時間を費やします。

たとえば、実際にはほとんど目立たない傷跡が、ほかの人にじろじろ見られるほどの大きな傷であると思い込んだり、鼻の形が異常であると思い込んだりします。

BDDの人は、うぬぼれが強いわけでも、自分のことで頭がいっぱいというわけでもありません。

自信の喪失はどのようにしてBDDを引き起こすのですか?

誰しも、長い人生において一時は見た目に不満を持つことがあるでしょう。このような不満は、あるときとないときがあり、忘れられる場合もあります。

しかし、BDDの人にとって、このような感情は非常に悩ましいものです。不満はなくなることがなく、日常生活に大きく影響します。

外見についてほかの人から問題ないと言われても、自分は醜く、周りもそう思っているに違いない、と思い込みます。

どのような人がかかるのか

英国では、100人に一人がBDDの可能性があると言われていますが、自分が置かれている状況を人に話さないことが多いため、これはあくまでも推測です。BDDは男性でも女性でも同じくらいの割合で発症することが分かっています。

症状はどのような年代にも現れますが、一般的には、一番外見に敏感になる思春期や成人期の初期に現れ始めることが多いです。

うつ病や、対人恐怖症の経験がある人にかかりやすい傾向にあります。身体醜形障害は、強迫神経症(OCD)や全般性不安障害と併発することが多く、拒食症や過食症などの摂食障害と併発することもあります。

BDDの特徴

BDDは、日常生活に深刻な影響を与えることがあります。仕事、社会生活、人間関係などに影響を及ぼします。

BDDの人には以下のような特徴があります。

・常に自分と他人の見た目を比較する
・鏡の前に立つ時間が長いときと全ての鏡を避けるときがある
・欠点だと感じていることを隠すことに時間を費やす
・体の特定の箇所についてひどく悩む(多くの場合、顔)
・周りに人がいると心配になり、社会活動を避ける
・ほかの人にうぬぼれが強く、自分のことで頭がいっぱいだと思われないように、秘密主義になり、援助を拒む
・欠点だと思い込んでいる部分について医療手当てを受ける(たとえば、美容整形手術を受けることがあるが、これによって苦悩から逃れられる可能性は低い)
・過度のダイエットや運動

BDDとOCDは異なりますが、似ている部分もあります。たとえば、髪をとかす、化粧をする、指で肌をいじるなどの特定の行為を繰り返します。

BDDは、うつ病、自傷行為、さらには自殺願望につながることもあります。

BDDの原因

BDDの原因は、はっきりとは分かっていませんが、遺伝によるものか、脳内の化学物質の不均衡であると考えられています。

過去の経験もBDDの原因になることがあります。たとえば、過去にいじめを受けた人や、子供のころに虐待を受けた人に多く見られます。

サポートを受ける

BDDの人は、恥ずかしさを覚えてしまうため、サポートを受けることを拒否する傾向にあります。

しかし、BDDであっても恥ずかしがる必要はまったくありません。多くの身体的な症状と同様に、長期間にわたる疾患であり、あなたのせいではありません。

サポートを求めることは、非常に重要です。症状を放っておいても回復することは少なく、逆に悪化することが多いからです。

BDDがあると思ったら、医師に相談してください。医師は、症状やそれらによる影響に関する以下のような質問をするでしょう。

・自分の見た目についてひどく心配し、それについて悩む時間を減らしたいと思っていますか?
・外見について、具体的にどのような不満がありますか?
・一日のうち、どれくらいの時間自分の外見について考えていますか?
・それらは日常生活にどのような影響を及ぼしていますか?
・それは、仕事や友人関係を困難にしますか?

BDDの疑いがあると医師が疑った場合、より詳しい検査と適切な治療法を得るために、精神衛生の専門家を紹介してくれます。

BDDの治療

BDDは、治療によって症状が回復したと感じる人がほとんどです。

治療方法は、BDDが日常生活に及ぼす影響の度合いによって異なります。

軽いBDDの場合、認知行動療法(CBT)と呼ばれる治療法をすすめられる場合が多いです。より深刻なケースになると、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と呼ばれる治療とCBTを平行して行う場合があります。

認知行動療法(CBT)
CBTは、考え方や行動を変えることで症状を軽くしていく治療法です。外見をチェックしすぎるのをやめるなどの、セラピストに与えられた目標を達成するために努力をします。

BDDの治療におけるCBTの重要な要素は、段階的な公開と反応の予防(ERP)であるといわれています。自分の外見について過度に考える状況に向き合うことでめられる、こうした状況に徐々に立ち向かえるようになります。

治療の一部として、自宅でできる自助努力のための材料を与えられたり、グループワークへの参加を求められる場合があります。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI)

SSRIは、抗うつ剤の一種で、セロトニンという脳内の化学物質の分泌量を増やす薬です。セロトニンは、脳細胞間の情報伝達のために使われる脳内の化学物質です。

有効なSSRIにはさまざまな種類がありますが、BDD患者のほとんどはフルオキセチンを処方されることが多いです。

薬は毎日飲む必要があり、その効果が出るまで3ヶ月かかることもあります。もし効果が認められれば、更なる回復と、再発を防ぐために、最低1年間は飲み続けなければいけません。

治療がおわり、症状がなくなったら、離脱症状が出ないよう、徐々にSSRIの服薬量を減らしていきます。

SSRIの一般的な副作用は、頭痛、体の一部の震え、吐き気などがあります。これらは、数週間でおさまることがほとんどです。

30歳未満の成人は、SSRIを服薬する際はしっかりと監視されていなければなりません。治療を始めたばかりのころは特に、自殺願望や自傷の危険が高まるためです。

追加治療

SSRIを服用しても症状が良くならない場合、クロミプラミンと言われる違う種類の抗うつ剤を処方されるでしょう。

支援団体

BDDに関する情報、アドバイス、日常生活において病気とうまく付き合うためのヒントなどを得るため、支援団体に連絡したり、参加してみるのもよいでしょう。

近くに支援団体があるかどうかは、医師に相談するか、BDD基金のホームページをご覧ください。

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