がんのリスクを減らすために行うべきこと

がんのリスクを軽減するために
がんを予防するための確実な方法はありませんが、そのリスクを軽減することはできます。
以下のようなものは、がんのリスクを下げるのに役立ちます
・健康でバランスの取れた食事を食べる
・健康的な体重を維持する
・体をよく動かす
・飲酒量を減らす
・禁煙する
・日焼けから肌を守る
・自分の体を知る
健康でバランスの取れた食事を食べる
がんの予防に関連するさまざまな食べ物や食生活に関する話題は、頻繁にニュースで取り上げられます。これは、多くの研究が食生活とがんの関係に集中しているためです。しかし、食生活とがんとの関連性を研究することは容易ではありません。というのも、さまざまな要因が関係していることや、がんの進行に数年かかるためです。
がんの発症を防ぐことができる唯一の食べ物やサプリメントはありません。全体として、特定の食品群(特定の食品、ビタミンまたは栄養素ではなく)を食べることとがんのリスクを低下させることの間に関連があることが研究によって判明しています。
健康でバランスの取れた食生活を心がけると、がん発症のリスクを低下させることができます。以下のような食事を摂るようにしてみてください:
・1日あたり5単位分の果物や野菜
・パン、米、ジャガイモ、パスタ、そのほかのでんぷん質の食べ物を多く:食物繊維が多く含まれるので、全粒の食品を選ぶとよい
・肉、魚、卵、豆、そのほかの乳製品以外のタンパク質
・牛乳や乳製品
・ケーキやチップス、ビスケットなど、脂肪分や糖分が多い食べ物や飲み物は控えめに
健康でバランスの取れた食事を食べることで、体が必要とする栄養素をすべて摂ることができます。
食物繊維とがん
十分な食物繊維を摂ると、腸のがんにかかるリスクが低下することがはっきりわかっています。繊維が多い食事は、腸の健康を保ち、便秘の予防に役立ちます。
食物繊維が豊富な食品として、全粒粉のパスタ、パン、朝食用シリアル、米があります。豆、果物、野菜も、繊維質を摂りやすい食べ物です。
赤肉および加工肉
肉は、タンパク質、ビタミン、鉄、亜鉛などのミネラルを豊富に含む食品です。しかし、赤身の肉や加工肉と腸のがんにかかるリスクとの間には関連がありそうだ、ということも明らかになっています。こうした肉をたくさん食べる人は、あまり食べない人よりも腸のがんにかかるリスクが高くなります。
牛肉、豚肉、ラム肉はすべて赤身です。加工肉にはベーコン、ソーセージ、サラミ、ハムなどがあります。
1日あたり90グラム以上の赤身または加工肉(ローストビーフ、ラム肉、または豚肉の薄切りを3枚[1枚分はスライスされたパン半分ぐらいの大きさ]分に相当)食べているとしたら、 70グラムまで減らすことをお勧めします。
ベータカロテンサプリメント
抗酸化物質サプリメントによくみられるベータカロテンは、喫煙者や職場でアスベストにさらされている人の肺がんのリスクを高めることが判明しています。大量のベータカロテンサプリメントを服用すると、ほかの人のがんのリスクも高める可能性があります。
健康的な体重を維持する
肥満だと、たとえば以下のようながんのリスクが高まる可能性があります。
・腸のがん
・膵臓がん
・食道がん
・乳がん(閉経後の女性の場合)
・子宮がん
・腎臓がん
健康的な体重になると、がんを発症するリスクを減らすことができます。 BMI(要解説)に基づく計算をすることで、健康的な体重かどうかを知ることができます。
体をよく動かす
体をよく動かしていると、腸や乳房のがん、子宮内膜がん(子宮の内側にできるがん)のリスクを減らすことができることが証明されています。体を動かすことがこれらのがんのリスクをどのように減少させるかははっきりとわかっていないものの、定期的な運動がホルモンのレベルを正常に保つのに役立つことが研究で明らかになっています。ホルモンのレベルが高いと、がんのリスクが高まる可能性があります。
また、体を動かすことは健康的な体重維持にも役立つため、がんのリスクを軽減することにもつながります。
飲酒量を減らす
飲酒は、以下のようながんのリスクを高めることがわかっています:
・口(こう)がん
・咽頭がんおよび喉頭がん
・食道がん
・男性の結腸直腸がん(結腸または直腸のがん)
・乳がん
女性の結腸直腸がんや肝臓がんといったがんは、おそらくほかの要因が原因であると思われます。
週のほとんどで酒を飲んでいるなら、健康へのリスクを減らすために以下のことをお勧めします:
・男女とも、1週間あたり14単位以上の定期的な飲酒をしない
・1週間あたり14単位以上飲む場合は、3日以上間隔を空ける
ドリンクチェッカーを使用すると、さまざまなアルコール飲料が何単位かを調べることができます。
禁煙する
禁煙すると、がんの発症リスクが大幅に軽減されます。禁煙が早ければ早いほどその効果は大きいものの、禁煙が遅すぎるということはまったくありません。30歳で禁煙する人は、タバコを吸わない人と同じくらい長生きしますが、50歳で禁煙する人でさえ、タバコによるダメージを半減させることができるのです。
日焼けから肌を守る
日焼けしないよう日光に気をつけることは、皮膚がんを予防する上で重要です。以下のことに気をつけましょう:
・午前11時から午後3時までは日陰で過ごす
・絶対に日焼けしないようにする
・Tシャツ、帽子、サングラスで体を覆う
・子どもが日焼けしないよう気をつける
・SPF(紫外線防御指数)15以上の日焼け止めを使う
ほくろやそばかすに気をつけてください。少しでも変わった場合(例えば、今までより大きくなったり、出血したりする場合)は、がんの初期症状である可能性があるので、GP(要解説)を確認してください。皮膚がんは早期に発見されればされるほど治療が容易になるので、できるだけ早くGPを参照してください。
健康な骨の形成に欠かせないビタミンDを作り出すために、肌に日光をあてることが必要です。
自分の体を知る
自分の体を知り、腫れ物や原因がわからない出血といったがんの隠れた兆候に気づくこと、そして、こうした兆候が深刻かどうかについてアドバイスを受けることは大切です。